近年、新築住宅よりも中古住宅を購入しリフォームによってコストを削減しようとする動きが増えています。その一方で、多くの人が「自分らしい家にカスタマイズしたい」と思っているだけでなく、実は築年数によってリフォーム費用が変動することを理解していない場合があります。この記事では、築5年、築10年など、築年数ごとにリフォーム費用について説明します。
中古住宅リフォームのコストはどれほど?
中古住宅のリフォーム費用は、実施する内容により大きく変わります。設備を新しくするだけのリフォームであれば、それほど大きな出費は必要ありません。しかし、部屋を全面的に刷新し、最新の設備を導入し、大規模な改修を行うと、数百万円以上の費用がかかることを覚悟する必要があります。
具体的な費用は物件の状況により変わるため、見積もりを取るまで具体的な数値は出ません。不動産会社や建築会社に概算を出してもらうことで、リフォームのイメージがつかみやすくなります。
築年数ごとのリフォーム費用の目安
・築5年
築5年程度の家では大きな劣化は見られません。新品同様の状態の家が多く、リフォームというよりもハウスクリーニングが必要な程度かもしれません。この場合、費用は約3万円から10万円です。
築5年では壁紙が汚れていたり、畳が傷ついていたりすることがあるため、これらを交換すると約5万円~15万円が必要です。全体的に総費用は築年数が長い家よりも高いですが、新築に比べれば安いので、全体的な費用はあまり変わらない特徴があります。
・築10年
築10年になると壁紙を全面的に張り替える必要が出てきます。例えば100㎡の場合、約50万円の費用がかかります。また、10年経過すると劣化や傷、汚れ、風化が見られるようになるため、壁紙の張り替えを計画に含めておくことが重要です。外壁や屋根の塗装も損傷が見られる場合があり、その費用は約100万円かかることもあります。
・築15年
築15年になると、様々な箇所が劣化してきます。特に水回りの設備が劣化し、給湯器の交換が必要になり、約10万円の費用が必要です。また、ユニットバスの交換も必要になることがあり、その費用は80万円~100万円ほどです。さらに、洗面台やキッチンのリフォームにも10万円から100万円ほど必要になります。総合的には300万円~500万円ほどの費用が必要になります。
・築20年
築20年以上が経過した物件は、多くの場面で劣化が見られることが一般的です。特にフローリングは日常的な使用により傷や劣化が進むことが多く、全体的な印象を大きく左右します。しかしこのような中古物件は新築に比べて価格が3割から5割ほど安いのが魅力です。この価格差を考慮に入れれば、リフォームの予算設定も柔軟に行えます。
弊社で実際に最近見積もりを取った3階建て(1階は駐車場)の築25年物件では、リフォーム費用が約800万円と診断されました。このような予算を前提とした上で、外壁塗装や防水工事など、多くの維持・修繕が必要なケースが多いです。
・築25年
築25年が経過した物件においては、リフォームが避けられない場面が多く出てきます。特にフローリングの張り替えは一般的なメンテナンスとして多く行われます。12畳のリビングであれば、この費用は約20万円程度とされていますが、全体のフローリングを張り替える場合には、100万円以上の費用がかかる可能性があります。
また、25年の築年数を超えると、給排水設備の工事も必要になることが多くなります。この時期には建物のリフォーム以外にも、プライベートな水回りのメンテナンスが必要とされる場合が多いです。
築25年以上の物件を購入やリフォームを考える際には、フローリングや給排水設備といった、さまざまなメンテナンス費用も考慮に入れる必要があります。
リフォームを成功させるポイント
中古住宅のリフォームでは、メンテナンスの状態や外的要因、内的要因により大きな違いが出ます。中古住宅を選ぶ際は、修繕の履歴や以前の住民についての情報も重要です。これらの情報は、家の現状を理解するための大切な指標となります。
もし自分たちが中古住宅で新たな生活を始めるならば、それはその家の「経過年数」をさらに延ばすことを意味します。築5年や築10年の物件ならまだ問題少ないかもしれませんが、築20年、築30年となると、見えない部分の劣化が進んでいることもあります。そのため、リフォームをどの程度行うか、その範囲と費用をしっかりと計画することが重要です。
リフォーム費用は物件ごと、またその築年数や状態によって大きく異なります。そのため、自分たちのライフスタイルや予算に合わせて計画を立て、リフォーム会社としっかりと相談することをおすすめします。これにより、中古物件でも自分たちが快適に生活できる家にリフォームすることができます。以上が、中古物件をリフォームする際の費用と築年数別のリフォームの考え方についての解説でした。