土地売却では確定申告が必須?受けられる控除や必要書類まで解説

今まで住んでいたマイホームを売却して新しく引っ越したり、または相続した物件を売却したかったりと、土地の売却を考えている人も少なくないでしょう。そのようなとき、土地の売却で得た利益は確定申告が必要なのかお悩みの方も多いと思います。

この記事では、土地の売却では確定申告が必須なのか、受けられる控除や、確定申告が必要ないケースまでご紹介します。

土地を売ったら確定申告は必要なのか

原則として、土地を売却した際に「売却益」があれば確定申告をしなければなりません。売却益とは、土地や不動産を売却して得られた利益のことです。厳密には、売却までにかかった諸経費(取得費や譲渡費用)を差し引いて、最終的に得られた差額が売却益として扱われます。

そして、売却益には特定の条件を除いて税金が課せられるため、多くのケースで確定申告が必要だと言えるでしょう。

土地を売って確定申告しないとどうなる?

特例や控除制度などによって、税金が課されないケースもありますが、基本的には土地を売却して利益を得た場合は確定申告をしなければなりません。売却益などを得て確定申告が必要にも関わらず、無申告で該当の税金を支払わなければ、「無申告課税」によって本来払わなくてもよかった分の税金まで支払わなければならなくなります。

「確定申告をしない」は節税ではなく、脱税として扱われるため、売却益がある場合は必ず行うのがベストです。

土地売却の確定申告では控除が受けられるケースも

土地売却における確定申告では、さまざまな税金控除や特例が存在します。代表的なものでは「マイホームの3,000万円特別控除」や「相続用空き家の3,000万円特別控除」、「10年超のマイホームを譲渡した場合の特例」などです。

たとえば、売却益が3,000万円以下なら、その金額がまるまる控除対象となり、税金を支払わなくて済むケースもあります。

3,000万円の特別控除を受けるには、いずれにしろ税務署で手続きを進める必要があるため、かならず確定申告を行います。「計算すると控除によって税金を支払わなくて済むから確定申告もしない」では無申告状態となり、支払わなくて済む税金まで支払う必要があるため注意が必要です。

売却益に掛かる税率は居住期間で変わる

マイホームなどの土地を売却した確定申告では、居住期間に応じて売却益(課税譲渡所得金額)に掛かる税率が変動します。具体的には、「5年未満の短期譲渡所得」「5年以上の長期譲渡所得」です。

居住期間が5年未満の短期譲渡所得では、所得税30.63%、住民税9%、合計39.63%が課税譲渡所得にかかります。

居住期間が5年以上の長期譲渡所得では、所得税15.315%、住民税5%、合計20.315%が課税譲渡所得にかかります。

さらに、軽減税率の特例によって、所有期間が10年を超えていると6,000万円までの売却益は14.21%、6,000万円を超す場合は20.315%の税率に変動する計算です。

基本的には、長く住めば住んでいるほど、土地売却の確定申告で課税される額が減るという認識で間違いないといえます。

居住期間は売却した年の1月1日時点で計算

土地を売却する際は居住期間で控除を受けられますが、その居住期間は売却した年の1月1日時点で計算される点に注意が必要です。

たとえば、2017年3月1日に住み始めた物件を2022年6月1日に売却した場合、居住期間は5年を超えているため長期譲渡所得を得られると考えてしまいがちです。しかし、実際にはその年のはじめ「2022年1月1日」に居住期間のカウントが終了してしまうため、緩和税率を受けられなくなってしまいます。

「2022年の12月31日と、2023年の1月1日」はたった1日の違いしかありませんが、確定申告における居住期間の計算では丸々1年異なってしまいます。

そのため、居住期間が5年前後であれば売却するタイミングに注意が必要です。

土地を売った年度の確定申告で必要な書類

土地を売却した年度では確定申告が必要です。その確定申告では、以下の書類提出を求められるケースがあります。

  • ・売買契約書のコピー
  • ・仲介手数料など各種費用の領収書コピー
  • ・土地の事項証明書
  • ・源泉徴収票やマイナンバーなど
  • ・譲渡所得の内訳書
  • ・確定申告書B様式(譲渡所得があれば)
  • ・確定申告書第三表(分離課税の申告用)

また、確定申告で特別控除をうけるために戸籍の附票など追加書類が必要となるケースもあります。不動産売却では「居住用物件の売却なら最高で3,000万円の特別控除を受けられる」とされていますが、居住していたことを証明するための証明書の提出が必要です。

売却損なら確定申告は不要?したほうがいい理由とは

土地を売却した際、取得費や譲渡費用などを差し引いた売却益が課税対象となります。そのため、売却益がなければ確定申告をしなくて済むのも事実です。しかし、たとえ売却損でも、確定申告をしたほうがよいケースも多くなっています。

代表的なものでは、マイホームなどを買い替えた際に得られる「譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例」「譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例」といった税金支払の軽減措置です。

また、確定申告では「損益通算」という考え方があり、同年に得られたほかの利益と相殺することもできます。総合的に支払う税金を抑えられるほか、場合によっては最大3年まで所得税や住民税の軽減につながる「繰越控除」を得ることも可能です。

売却益が出なかったとしても、確定申告をするとさまざまなメリットを得られます。そのため、特定条件下ではたとえ売却損でも原則として確定申告を行うのがベストです。

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