「中古住宅の購入からリフォームをして、新築同然の物件を手に入れる」
近年ではこのような手法で理想のマイホームを手に入れようとする方も多くいらっしゃいます。しかし、住宅によってはリフォームができる条件を満たしておらず、満足の行くリフォームが出来ないケースも。
この記事では中古住宅を購入してリフォームを考えている方に向けて、リフォームが出来ない条件や場所についてご紹介します。リフォームをする際の注意点についても触れていますので、あわせてご参考下さい。
◆リフォームができない条件とは?
「中古の戸建物件を購入してから、リフォームを通して理想のマイホームを…」と考える方も少なくありません。マンションなどに比べると、戸建物件はその多くが自己所有になるため、自由度の高いリフォームができます。
しかし、自己所有の戸建物件であってもリフォームができない場合があるのも事実です。たとえば、増改築では建築基準法をはじめとして、都市計画などさまざまな部分に基づいて入念な下調べ・申請が必要になります。各面積の計算や日当たりの規制があるため、リフォーム時はそれぞれの条件にマッチするよう収めなければいけません。
ほかにも、物件の状態や立地場所によってリフォームができない条件があります。まずはリフォームができない条件についてご紹介します。
増改築は制限条件が多い
先述したとおり、増改築では建築基準法を始めとしたさまざまなルールのもとでリフォームする必要があります。具体的には、敷地面積に対する建築面積の割合を示す建ぺい率、敷地の広さと建物の総床面積を比較する容積率、そして、周辺物件の日当たりを妨害しないかチェックする北側斜線制度などです。
以上の条件に加えて、建物の高さ制限が追加されることもあります。条件を満たさなければ、増改築のリフォームはできません。
平屋から2階建ては条件次第
基本的に、2階建ての中古物件を3階建てに改築するリフォームはできないケースが多くなっています。理由として、2階建てと3階建てに求められる建物としての構造自体が大きく変わるため、耐震性などを含めていくつかの問題が浮かび上がるからです。
一方で、1階の平屋から2階建てを作る増改築は、条件によってはリフォームすることが可能なケースもあります。いくつかの耐震補強が必要になるものの、階数を増やすリフォームは絶対できないという訳ではありません。
屋根裏スペースの増築も問題あり
収納スペースを確保するために、屋根裏やロフトといった増築を行う際は、2つの基準を満たしてリフォームすることを心がけましょう。
上記のポイントを満たせないと延べ床面積(容積率)が増え、「屋根裏の増築」ではなく「新規改装の増築」とみなされるため、必要な固定資産税が増えてしまいます。
間取りのリフォームも建築方法によっては厳しい
間取りをリフォームできない条件として、建物の構造・工法が大きく影響します。物件によっては構造上どうしても外せない壁や柱などがあり、それらをリフォームで取り除くことで、耐震性などを大きく欠いてしまう恐れがあります。
そのため、吹き抜けスペースを作るなど大掛かりな間取りの変更を行うには、物件の建築状況が深く影響します。木造建築であれば比較的建て直しが効くものの、鉄骨造など重要な部分の移動が難しい建材では、大掛かりな間取りのリフォーム条件を満たせないケースが多いです。
◆場所によってリフォームができないこともある?条件が変わる理由
リフォームできない条件は中古戸建ての実際の状況によってさまざまです。しかし、それ以外にも建物が建築されている場所によってリフォームの条件が大きく変動することがあります。
具体的には、「防火・準防火地域」といった違いです。
防火地域・準防火地域とは?
防火地域・準防火地域とは、都市計画法によって定められた安全規定の1つです。具体的には、「特定地域における火災の危険性を抑えるために定められた地域」のこと。多くの住宅が密集している地域では、1つの住宅火災から隣家へ燃え広がり、大惨事に繋がってしまう恐れがあります。
そういった火災の延焼を防ぐため、防火地域・準防火地域では、それぞれ建築物を建てる際に防火・耐火性に優れた建材を利用する必要があります。
特に駅前や商業施設近辺などは「防火地域」に指定されていることも多く、厳しい規制のもと「鉄筋コンクリート造」「鉄骨鉄筋コンクリート造」といった建材で建築物を建設しなければなりません。
参考:那覇市都市計画関連情報
防火地域・準防火地域だとどうなる?
建築前は防火地域の指定外でも、リフォーム後は防火地域に含まれていることがあります。基準を守るため、建物そのものを作り直す必要性が出てくる点に注意が必要です。ただし、「防火地域の場所はリフォームができない」という訳でもありません。
たとえば、準防火地域では一般的な木造2階建ての建築もリフォームすることが可能です。サッシや玄関戸などに防火窓を導入するなどいくつかの防火対策が必要になるものの、リフォーム条件が変動するだけでリフォームができなくなることはありません。
ただし、防火対策を取り入れるためにいくらかの追加資金が必要になる点にご注意下さい。
◆リフォームできない条件や場所ごとの条件を知った上で中古住宅を購入しよう
中古住宅のリフォームにはさまざまな条件があり、場合によっては望んでいたリフォームができないケースもあります。そのため、「中古住宅を購入してリフォームをしよう」と考えている方は事前にどのようなリフォームが適用できそうか、建物の状態や地域をチェックしておきましょう。
大掛かりなリフォームになると新築を建てるも同然のコストが掛かるケースもあるため、最小限のリフォームで最大限の効果を発揮できる中古住宅を選定することがベストです。日宅では那覇市・浦添市にある中古住宅情報を取り扱っているため、リフォームを前提とした中古戸建物件をお探しの方はぜひお気軽にご相談下さい。