近年では、新築物件とさほど変わらない性能を持ちつつも、中古物件として取り扱われる物件も多くなっています。そのため、コストパフォーマンスなどの面から中古住宅を購入する方も増えつつあるようです。
この記事では、近年の売買事情をもとに中古住宅がどのような状態か、中古住宅を購入するメリット・デメリットについてご紹介します。
◆中古住宅とは?
中古住宅とは、過去に誰かが住んでいた物件のことを指します。日本国内では「新築で家を建てるべき」という文化が根づいているため、人口と比較して人の住める物件が多くなり、現在では余っているような状態が増えつつあります。
しかし、一言で中古住宅とは言っても、新築同様の物件があるのも事実です。設備周りがしっかりしていて、保証もついているという環境は変わらないものの、それでも新築住宅を選ぶ方も少なくありません。
中古住宅には、築年数が数年しか経っていないにも関わらず、新築物件の相場と比較して数百万安くなる物件もあります。そういったケースを踏まえ、購入時のコストパフォーマンスは中古住宅が圧倒的に優れています。
<海外では中古住宅の再利用が当たり前?>
日本国内では中古住宅を避ける傾向にあります。総務省や国土交通省の資料を見てみると、2018年の時点で「日本国内の中古住宅市場は全体のおよそ15%」にとどまっています。
一方で、海外では中古住宅市場がほぼ真逆になっており、「アメリカの中古住宅市場は80%ほど、イギリスは85%ほど」と圧倒的な差があります。
海外では、築100年の住宅を再利用しているというケースも少なくありません。「古い家ほど価値があり、修繕することで長く使える」という共通認識が広く浸透しているからです。
その点を踏まえると、日本国内における一般的なイメージとしての「中古住宅だから」という理由で中古住宅を敬遠してしまうのは少しもったいないとも言えるでしょう。
◆中古住宅の購入事情とは?中古住宅を選ぶメリット
日本では、中古住宅を個人同士で売買するケースがあります。たとえば、AさんがBさんへ格安で売り、Bさんは弊社含めて不動産会社へ販売するなど、中古住宅にはさまざまな流通経路があります。
それでも国内には中古住宅の物件が多数存在するため、現在では「空家対策」としてさまざまなシーンで購入しやすくなっています。「購入のしやすさ」を除いたうえで、中古住宅を選ぶメリットは他に3つあります。
<中古住宅はリーズナブルな選択肢の1つ>
中古物件は、単純に物件としての価格が新築よりも低い傾向にあります。中古物件と新築物件を比較すると、だいたい2割から3割ほど中古物件の方が安く購入価格を抑えられるケースが多いです。場合によっては、様々な条件が重なると1千万円ほど購入費用が浮く場合もあります。
お住まいの中古住宅によって実際の価格や費用は異なりますが、自身で納得できる条件の中古住宅を見つけることができれば、圧倒的にコスパに優れた物件選びができるのは間違いありません。
近年では政府の副業推進などにより、日本人口のフリーランス割合が上昇傾向にあるなど、選択肢が増えつつあります。そのような背景から、リーズナブルな中古住宅を購入して自由気ままに生活する方も多くなっています。
<実物の住宅を確認して購入できる>
「中古住宅」という言葉で、物件がボロボロかもしれないと不安を抱く方も少なくないでしょう。しかし、実物の住宅を確認して購入できるため、「予想よりも良かった/ひどかった」というようなケースはほとんどありません。
実物の住宅を確認してから購入できるため、自分にとって満足の行く物件を選びやすくなります。
<空き家対策特別措置法でさらに選べる物件が増えた>
日本では数百万戸の空き家が存在するとされています。しかし、実際に中古物件を販売する人はそこまで多くありませんでした。そこで、国が施行した「空き家対策特別措置法」により、市町村が認定した物件であれば固定資産税支払いの軽減措置がもたらされ、現在では多くの人が空き家を手放しています。
そのため、さまざまな中古物件の中から好みの戸建てを選びやすくなりました。
◆中古住宅を購入する際に気を付けるべきポイント
県内では新築のような物件が中古住宅として販売されていることも少なくありません。一見すると中古住宅を買うメリットが強いようにも思えますが、ただ建築年数だけで判断してしまうのはおすすめできません。
中古住宅を購入する際には、以下の4つのポイントに注意しましょう。
<保険・保証内容に要注意>
新築分譲住宅は、築後10年間の「瑕疵(かし)担保」が義務付けられていますが、中古住宅には義務付けられていないため注意が必要です。そのため、中古住宅を購入する際は保証内容をチェックしておきましょう。
購入後の予期せぬトラブルで、「保証が効かなかった」となると、せっかくコストパフォーマンスに優れた物件選びをした意味が薄くなってしまいます。
<修繕費用が掛かるケースも>
中古住宅の物件によっては、持ち主による管理が行き届かず、建築年数が新しめでも肝心の物件や土地周りにダメージが残る中古物件があります。そのため、購入費用そのものは割安に抑えられても、その後の修繕費用で新築並みに出費が掛かってしまうケースも。
中古住宅を購入する際は、新築物件と価格を比較する際に購入+修繕費込みでどれだけ差額が出るのかをチェックしておきましょう。
<控除ローンで不利になる?>
中古物件を個人から購入した場合、売り主と買い主が個人で完結すれば、建物価格に消費税が課税されないため安く購入することができます。消費税が無い点はメリットですが、住宅ローン控除の税金額で損をしてしまう可能性もあります。
たとえば、認定住宅ではない新築なら最大400万円の住宅ローン控除が受けられますが、消費税の掛からない中古住宅は最大で200万円までと、およそ200万円の差額が生まれます。
<ローン審査が厳しい可能性も>
新築物件に比べると、中古住宅はローン審査が厳しい傾向にあります。築年数に合わせて物件の価値も下がるため、金融機関の担保価格もそれに応じて下がってしまうからです。建物などの状況によっては、ローン審査が厳しくなってしまうかもしれません。
一方で、ローンに頼らず中古物件を購入できるのなら、価格を抑えつつマイホームを手に入れることができます。そのメリットは変わらないため、新築物件と中古住宅は一括で買うことができるかといった点も考慮に上がると言えるでしょう。
◆中古住宅のメリット・デメリットまとめ
中古住宅には「物件価格が安い」「コスパに優れている」「新築より面積が広いケースもある」「実際に物件状況を見て購入できる」といったメリットがあります。
一方で、新築物件と比較すると、「修繕費用が掛かる」「ローン審査が厳しい」「瑕疵保証がついていないこともある」といったデメリットがあります。
新築の住宅と中古の住宅はどちらも一長一短のメリットがあるため、ご自身の環境に合わせて選択することをおすすめします。中古物件をお探しの方はぜひ弊社までご相談下さい。スタッフがご希望の物件に合う物件探しをサポートいたします。